表紙
絵本は1日でさまざまな場所をめぐる。こちらは朝のシーン。このあとの登場人物の皆さん。
ウニ漁をする漁師さん。その海底にはごろごろした岩が。どこからきたのだろう?
海辺にもごつごつした岩が。この岬自体が、背景にみえる有珠山から流れてきた「山のかけら」。
有珠山はなんども噴火を繰り返して今のかたちになっている。地中はこんなに複雑。
日英両表記。絵は佐々木真由子が担当しました。
2015年には、絵本をもとにしたカードも製作しました。歩きながら現地で使えます。
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地球上のどんな場所も、その成り立ちをひもとけば、壮大な地球の物語とつながっています。目の前の景色は、ずっと昔からそのままの光景だったわけではなく、大地は長い時間のなかで刻々とその形をかえ、その変わりゆく大地の上で私たちは生きています。
たとえば、街のどこかにあるひとつの坂も、ずっとずっと昔から坂だったわけではないかもしれません。いつのときか坂が生まれた時がある。川がゆっくり削ったのかもしれませんし、地面が動いたのかもしれない。
どんな場所にも、それぞれの成り立ちがあるわけです。
わたしたちは普段あまりそういったことを考えないけれど、自分が今いる場所のかたちや成り立ちをあらためて観察し想いをめぐらせるのは、とってもたのしいことです。
また、自然災害から自分自身や街を守るうえでも重要な知識と感覚をあたえてくれます。
そういった大地と人との関わり、大地そのもののありようを、地域を指定して、積極的に知り、考え、学ぼうという取り組みが「ジオパーク」です。
(ジオパークについてくわしくは、日本ジオパークネットワークのサイトをご覧ください)
この絵本「11万年のうえの1日」は、そんなジオパークのひとつ、洞爺湖有珠山ジオパークの取り組みで企画されました。
絵本は、洞爺湖有珠山地域の代表的な場所を「1日」をかけて旅しながら、地域の代表的な景観の地質・地形学的成り立ちを、やわらかい絵をつかってやさしく解説する構成になっています。
それぞれの地形がどうしてこういうかたちになったのか、具体的にイメージすることができるよう知恵をしぼりました。それぞれのページで、見慣れた景色の地面の下、土のなかを断面図で伝えています。
また、農家さんや漁師さんなど、地域のひとびとのいとなみもたいせつに紹介しています。
編集は洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会、学術的な監修は、北海道立総合研究機構・地質研究所の広瀬亘先生によるものです。
地域内の教育施設など、さまざまな機会に利用されています。
洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会
2014
AD/D: Hikaru Sasaki + Mayuko Sasaki
Artwork: Mayuko Sasaki
Text: Hikaru Sasaki
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